はじめに
多項式の集合と写像に関する問題です.
集合と言えば数を含んでいるイメージが強いでしょうが,「一次式」全体を集合と捉えて他の多項式との対応関係(=関数)を考えてもなんら問題ありません.
とっつきづらいかもしれませんが…
今回の問題は,難易度Aです.
ますプラの問題演習では,独自でつけた難易度でタグ付け,さらに東大と京大は別でタグ付けをしてあります.見直す際に利用してください.
難易度は以下のようにざっくりと3つに分けています.
- S:特別な知識や熟考が必要なもの(入試では解けなくても問題なし!)
- A:難問(解けるとアドバンテージ)
- B:典型問題(解けなければディスアドバンテージ)
これは主観的な評価で,大まかな分類だと思っておいてくださいね.
もくじ
今回の問題
問題
$\mathbb{R}$を実数全体の集合とする.$\mathbb{R}$の元を係数とする$x$の$2$次以下および$1$次以下の多項式全体の集合をそれぞれVおよびWとおく.また,Vの元$f$にWの元$f^*$を対応させる写像が次の$3$条件(i),(ii),(iii)をみたしていると仮定する.(以下,$(f^*)^*$を$f^{**}$とかく.)
(i) $\mathbb{R}$に属する任意の$a,\,b,\,c$について,$(ax^2+bx+c)^*=a(x^2)^*+bx^*$が成り立つ.
(ii) Vに属する任意の$f$に対して$(f^*)^2-2f^{**}f$は$\mathbb{R}$に属する.
(iii) Wに属する任意の$g$に対してVに属する$f$が存在して$f^*=g$をみたす.
(1) $x^*$が$\mathbb{R}$に属することを示せ.
(2) $x^*=k$とおいて,$(x^2)^*$を$k$を用いて表せ.
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