整数・整式

整数の基本1:約数・倍数関係

2020年5月4日

short summary!

(整数の積)=(約数の分かる値)の形から絞り込む
約数の分かる値は素因数分解が出来る数のこと

はじめに

今回は整数の基本3ヶ条の1つ目,約数・倍数関係について解説していきます.

(3ヶ条の記事を読んでいない場合はこちら(click!)から.)

整数問題では圧倒的に多く使われる方法で,避けては通れないところです.

「素因数分解の一意性」を使って「整数を絞り込む」ことを意識して,読み進めていってください.

約数・倍数関係の利用

まずは以下の例題を解いてみてください.

例題

さて,どのように考えたでしょうか.

注目して欲しいのは,(明らかに強調されていますが)右辺が「約数の分かる値」であること.

右辺が「約数の分かる値」ということは,素因数が全て分かっているということです.(逆に言えば,素因数が分からない数の約数は分かりません.)

整数に関する等式なので,素因数分解の一意性から,左辺と右辺が等しければ,素因数分解した形も等しいはず.ここから$x,\,y$を絞り込んでいきます.

 

具体的に見ていきましょう.
(1)の$12$の素因数は$2,\,2,\,3$です.

左辺を因数分解すると$(x-y)(x+y)$となりますから,この2つの因数に先ほどの$2,\,2,\,3$を割り当てられるはずです.このことを素因数分解の一意性が保証しています.

(2)以降も同じように進めていきます.右辺の素因数を左辺の因数(今回は全て同じで$x-y$と$x+y$です)に分配するのですね.

 

ここで一つ注意点を.

2次不定方程式の記事でも説明はするつもりですが,素因数を分配するときに工夫しておくとよいことがあります.

それは,大小(+正負)と偶奇です.

例えば(1)に関して,$x,\,y$が整数だったとしましょう.
すると,$x-y,\,x+y$の候補は以下のようになります.

$\ \ \ \ (x-y,\,x+y)$
$=(\pm1,\,\pm12),\,(\pm2,\,\pm6),\,(\pm3,\,\pm4)$
(と$x-y,\,x+y$入れ替えたもの)

プラスマイナスに加え,入れ替えもあって非常に煩雑ですね.

今回は$x,\,y$が自然数であるため,符号はプラスのみを選べばよいです.

さらに、2数の差が$2y$と偶数であるため,偶奇は一致し,$(1,\,12),$や$(3\,4),$といった組は不適であると分かります.(実際に計算すると$x,\,y$が整数となりませんね)

不要な計算はミスの元になります.大小と偶奇に関して工夫をすることで,上手に計算を進めましょう.

略解になりますが解答を載せておきます.

例題解答

整数の等式が与えられ,約数・倍数関係を利用するときは
(整数の積)=(約数の分かる値)
の形を目指すことにより,左辺の因数分解された各要素が,右辺の約数として絞り込まれます.

もし,$x^2-y^2=n$($n$は整数)という式であれば,$n$がどう分解されるのか分からないため,$x,\,y$の候補が絞れていません.($x-y,\,x+y$がnの約数であることは分かりますが,そこからの進展がない,ということです.)

両辺は整数の式にしましょう.
分数があるなら分母を払い,ルートは二乗して外しておかなければ,約数の話ができなくなります.

 

上に挙げたように,「約数の分かる値」には

定数・素数・素因数分解された数が挙げられます.

このまま3つを覚えてもらってもいいですが,定数や素数も大きなくくりでは素因数分解された数です.

「素因数」が全て分かる=約数・倍数関係が分かる
約数・倍数関係は,「素因数」の分配である

と認識しておきましょう.

まとめ

約数・倍数関係を用いる
(整数の積)=(約数の分かる値)
の形を目指す
約数の分かる値とは,素因数が分かる数のこと
「素因数を分配する」イメージ

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