問題演習 問題演習A 論証

【難度A】演習3〜千葉大学・2010年(後期)〜

2020年8月27日

解答解説

問題

(1)nを正の整数とする。x0,x1,.xnを閉区間0x1上の相異なる点とする。このとき,0<xkxj1nをみたすj,kが存在することを示せ。

(2)ωを正の無理数とする。任意の正の整数nに対して,0<lω+m1nをみたす整数l,mが存在することを示せ。

(1)(2)ともに存在証明の問題です.

存在証明の手法といえば,5つ押さえておくんでしたね.

  1. 具体的に要素を挙げる
  2. 中間値の定理
  3. 平均値の定理
  4. 部屋割り論法
  5. 背理法
    →「任意の要素について〜ではない」を条件にしてみる

忘れていた人は下を参照してください.

「存在」命題の証明法5パターン

short summary! 存在命題の証明は5手覚える. 1具体的に要素を挙げる 2中間値の定理 3平均値の定理 4部屋割り論法 5背理法 はじめに 存在命題は,名前の通り「存在」に関するもので,全 ...

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答えから述べると,(1)では「部屋割り論法」を用います.「剰余」「距離」が部屋割り論法では頻出なのでした.

当然,「背理法」で矛盾を示しても構いません.

全ての差が1nより大きくなってしまうと,x0xnの距離が1を超えてしまうためです.(これは本質的に部屋割り論法と同じです)

nで難しかったら小さい値で実験して状況を把握するのは非常に有効です.

本問も,n=3くらいで試してみれば「当たり前じゃない?」と思えたでしょう.

 

(2)は難問です.(1)が誘導になっていることを存分に意識してもなお難しいと言えます.

(1)を利用しようと思えば,小数(01の間)を作る必要があるため,ガウス記号を用いて整数部分を引きにいきます.

整数条件を直接利用するというのではなく,小数ありきで整数部分を考えるという流れなのでアプローチしづらいですね.

解答

(1)

閉区間0x1を,n個の区間
k1nx<kn(k=1,2,,n1)n1nx1
に分ける。このとき,n+1個の相異なる実数
x0,x1,,xn1,xn
のうち少なくとも2つは同じ区間に属する。これをxi,xj (xi<xj)とすると,
0<xjxi1n
となる。よって題意は示せた。

(2)

正の無理数ωに対してn+1個の実数
0ω[0ω],1ω[1ω],nω[nω]
について考える。ただし,実数xに対して[x]xを超えない最大の整数を表すものとする。このとき,
0kω[kω]<1 (k=0,1,,n)
であるから,これらn+1個の実数のうち少なくとも2つは(1)のn個の区間について同じ区間に属する。そのようなks,t (s<t)としたとき,a=ts,b=[tω][sω]とすると,a,bは整数であり,
|aωb|=|(ts)ω([tω][sω])|=|(tω[tω])(sω[sω])|1n
をみたす。また,ωは無理数なのでaω+b0である。

よって,0<|aωb|1nが成立しており, aωb>0ならば,0<aωb1naωb<0ならば,0<aω+b1n
となって,題意をみたす整数l,mの存在が示された。

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