数列

等差数列・等比数列と三項数列

2020年6月7日

short summary!

等差数列:nの一次関数
等比数列:nの指数関数
三項数列は真ん中の項に注目

はじめに

今回は数列の基本2つと三項数列(等差中項・等比中項)について学んでいきましょう.

のちに扱います漸化式でも,この2つを軸に考えていきます.

覚えることも少なく,そこまで複雑ではないので安心して進んでください.

等差数列と等比数列

数列は文字通り「数の列」です.いくつかの数字が並んでいます.

並べ方は無限にありますが,その中でも特徴的なものには名前がついています.

 

等差数列は,「次の数との差=公差」が等しいものです.

前の数から次の数を作るためには公差を足します.

例)初項が2,公差が3

2,5,8,11,14,

 

等比数列は,「次の数との比=公比」が等しいものです.

前の数から次の数を作るためには公比をかけます.

例)初項が2,公比が3

2,6,18,54,162,

一般項

これらを一般化しましょう.数列{an}の一般項をanとします.(初項はa1です)

 

公差dの等差数列 an=(n1)d+a1

nの一次関数,公差が傾き

公比rの等比数列 an=a1rn1

nの指数関数,公比が底

n=1を代入するときちんと初項が出てくることを確認してください.

 

軽く計算練習をしましょう

例題

一般項を求めよ.

(1) 初項1,公差4の等差数列

(2) a3=14,公差3の等差数列

(3) 初項2,公比2の等比数列

(4) a4=2,公比3の等比数列

公式を覚えてしまうのももちろん構わないのですが,

「等差は一次関数,等比は指数関数」を分かっていれば早いです.

例えば(2)であれば,公差3が傾きなので

an=3n+

の形までは予想できます.後はn=3を代入して14になるように○の部分を埋めて

an=3n+5

ですね.

例題解答

(1) an=4n+かつa1=1なので,an=4n3

(2) an=3n+かつa3=14なので,an=3n+5

(3) an=×2nかつa1=1なので,an=2n

(4) an=×3nかつa4=2なので,an=23n4

指数の計算が怪しい人は指数法則を復習しておきましょう.

和の計算

公差dの等差数列のa1anまでの和

12×(a1+an)n

12×{(初項)+(末項)}×(項数)

公比rの等比数列のa1anまでの和

a1(1rn)1r(r1)

(初項)×(1(公比)項数)1(公比)(r1)

 

和の計算は公式を覚えるだけなのですが,その際に注意点が1つ.

絶対に数式で覚えないでください.

一応書きはしましたが,大事なのはその下,日本語で書いた方です.

和の公式は日本語で理解しておかないと使い物になりません.

 

等差数列において必要なのは
「初項」「末項」「項数」←公差不要

等比数列において必要なのは
「初項」「公比」「項数」

です.

例題

次の数列の和を求めよ.

(1) 等差数列{an}において,a5=3からa100=197までの和

(2) a1=2,公比が3の等比数列{an}において,a3からa50までの和

それぞれの数列においてどの要素が必要か考えて計算しましょう.

例題解答

次の数列の和を求めよ.

(1) (和を計算する上で)初項a5=3,末項a100=197,項数96なので

12(3+197)96=9600

(2) (和を計算する上で)初項a3=18,公比3,項数48なので

18(1348)13=9(3481)

 

三項数列

本記事の最後,三項数列についてです.

「〜において,a, b, cが等差(等比)数列で」という条件が与えられることがあります.

 

こうした問題は

真ん中の項(中項)に注目する

と覚えておいてください.

 

これは市販の教科書のいずれにも載っている事実だと思いますが,何故なのでしょうか.少し掘り進めておきます.

 

実は等差でも等比でも,三項数列においては”順番”は不要な情報なのです.

a,a+d,a+2d

は初項a公差dの等差数列ですが,逆から読んでも

a+2d,a+d,a

と,初項a+2d公差dの等差数列になります.

等比数列でも同じです.

順番が不要な情報なら何が大事かというと,「真ん中の項」なのですね.

 

三項数列は真ん中の項(中項)中心に考える!
a,b,cがこの順で数列を成しているとき

  1. 等差数列のとき:公差dとしてa=bd,c=b+d
    2b=a+c
  2. 等比数列のとき:(公比rとしてa=br,c=br
    b2=ac

を覚えておいてください.

(赤字の式は,公差dや公比rを文字消去した式になっています.)

まとめ

公差dの等差数列nの一次関数,公差が傾き

和の計算は

12×{(初項)+(末項)}×(項数)

公比rの等比数列nの指数関数,公比が底

和の計算は(公比が1ではないとき)

(初項)×(1(公比)項数)1(公比)
三項数列は真ん中の項(中項)中心に考える!
a,b,cがこの順で数列を成しているとき

  1. 等差数列のとき2b=a+c
  2. 等比数列のときb2=ac

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